Orbitron の使い方  2019. 11/21 山田陽志郎

 Orbitron 3.53 主画面の表示例



    あなたの Windowsパソコンで 国際宇宙ステーションの位置を計算し、
       夜空でさがしてみましょう。



    Orbitron は、ポーランドはトルン(コペルニクス生誕の地です)の 
    セバスティアン・ストフさんが作成した人工衛星追跡プログラムです。

    無料で使うことができますが、よいソフトだな、と思われたかたは、
    ぜひ作者あて、みなさんの町の風景などの絵葉書、あるいは、無線をやって
    らっしゃるかたなら、QSLカードをおくってさしあげましょう。
   (このようなソフト配布のかたちを、「カードウェア」というそうです)


             (Orbitron作者の宛先はこちらです)
             郵便料金


    世界中で利用されているソフトです。



  プログラムファイルのダウンロードOrbitronのホームページからどうぞ。
  日の丸をクリックすると、Orbitron のかんたんな紹介が示されます。



    インストールを始めると、まっさきに使用言語をきいてきますので、
    Japanese を選びましょう。あとは、Next を選んでいけばOKです。
    最後に Next が表示されなくなったら、Install を選びます。すると、
    インストールがはじまります。

    しばらくすると、インストールが終了しますので、 Finish を選びましょう。

    Orbitron が立ち上がります。



    まず、画面下段にある、「観測地」をクリックし、
    World と書いてある下に、半角ローマ字で あなたの町の名をいれてみましょう。
    そのしたの窓にその町の名がでてきたら、それをクリックします。

    左のほうの窓に、名称・緯度・経度のデータが表示されたでしょう。

    あなたの町の登録がなければ、左のほうの窓に、名称・緯度・経度のデータを入力します。

    那覇(Naha)という名称とその緯度・経度のデータを入力した例

    入力したら、「リストに加える」をクリックし、さらに「選択」をクリックします。
    日本地図の、それらしき場所に印が出たらOKです。





    つぎに、下段メニューの「主メニュー」を選び、[設定」(ハンマーのアイコン)を選びます。
    このような画面が表示されます。
    TLE 更新 を選びます。この画面を参考に設定を行います。



    設定が終わったら、右上の地球アイコン(TLEファイルを更新)をクリックします。

    これで、
    アマチュア無線衛星、イリジウム衛星、最近1ヶ月間に打ち上げられた衛星、
    そして明るい衛星 の4グループの軌道要素が新しいデータに更新されました。




    OK を選んで TLE 更新 を終了します。




    つぎに 「設定」の 雑多 の設定を行います。
    レーダーの東西を入れ替え にマークを入れておいたほうがよいでしょう。
    ここにマークをいれておくと、主画面右下にある空の東西が、東(左側)、西(右側)
    になります。


    ここまで済んだら、希望する衛星グループの軌道要素を Orbitron に読み込ませます。
    主画面中段右手に、 TLEを読込 というボタンがあります。これをクリックすると、
    複数の TLE ファイル(テキストファイル)が表示されます。


    国際宇宙ステーションやスペースシャトルの位置を求めるなら、明るい衛星の軌道要素を
    集めたvisual.txt を選び、「開く」にします。すると、「読込み中」と一瞬表示が出て、
    読み込まれたことがわかります。(スペースシャトルの軌道要素は、通常、打ち上げられ
    てしばらくすると公開されます)


    (最近1ヶ月間に打ち上げられた衛星の位置計算をする場合は tle-new.txt を読み込みます)


    TLEを読込 というボタンの上に読み込まれた衛星の一覧が表示されています。
    ISS という行を見つけて、クリックしておきます。
  これで もう、国際宇宙ステーションの現在位置が示されています。


    複数の衛星を選んだ場合、次を表示 という
    ボタンをクリックすることで、衛星の軌跡が(次の衛星に)切り替わります。



    国際宇宙ステーションが観測地に接近すると、主画面右下の空(ミニレーダーとよんでいます)
    にも国際宇宙ステーションが表示されます。



    画面中段右に大きく表示されている時計の右上に、赤く「地方時」となっていることを
    確認してください。日本時(日本標準時)が時計に示されています。


    この赤い「地方時」という文字をクリックすると「UTC」(協定世界時)表示に
    切り替わります。
    UTCに9時間足すと日本時です。「地方時」表示のほうがわかりやすいでしょう。



    空の表示を大きくしたい場合は、主画面下段の図示メニューで、「世界地図」を
   「レーダー」に切り替えてください。昼間なら太陽も表示されます。

    同じ図示メニューで、ミニレーダーをオンにしておくと、
    主画面右下に、常時、空(これをミニレーダーとよんでいます)が表示されます。

  設定例では、「昼夜の境界線」をオンにしてありますが、控えめな表示にしたければ、
  オフにしておきます。




    現在の位置ではなく、設定した日時の位置を見たい場合は、主画面世界地図下の、
   「現在」を「設定日時」にして、日時を入れてください。日時の下にあるのは、
    時間ステップです。
    設定時刻を少しづつ進めたり、後退させたりするステップです。

    ステップさせるボタンがその下に並んでいます。自動前進・後退を再度押すと
    自動動作がとまります。



    いつになったら、国際宇宙ステーションが見えるのか、を調べるには「予報」という
    機能を使います。
    その前に、こちらを参考にして予報の設定を行います。



    設定が済んだら、「予報」に移り、「通過」(フレア ではなく)にし、「予報」を
    クリックすると、(さきほどの設定例では)2週間分の通過予報が計算されます。


    等級(明るさ)が明るいところ(マイナス等級など)をクリックしますと、
    そのときの日時にジャンプします。
    主画面の TLEを読込 というボタン の上の 「衛星」を「データ」に切り替えると、
    国際宇宙ステーションのそのときのさまざまなデータが表示されます。



    主メニューに戻って、時間ステップ をずらしていくことができます。空での経路に、
    もし赤い部分があれば、時間ステップでずらしていき、赤い部分に国際宇宙ステーションを
    もっていけば、そこが地球の影の中であることがわかります。
    (そのような例. 「データ」の「等級」などに注目)



    主メニューに戻って、下段メニューの 「衛星/軌道情報 」を選びますと、画面左下に
    国際宇宙ステーションの軌道要素などが示されます元期(げんき)という項目は、
    いつの時点の軌道要素かを示しています。

    これが最近であれば、新しい軌道要素ということです。確認しておきましょう。 

    UTCは協定世界時(これに9時間足すと日本時)のことです。



    画面右上すみにある X印 をクリックすればプログラム終了です。





    表示される世界地図には、インストール時に組み込まれるもの以外に、
    こちらのページの World Maps にいくつか用意されています。

    Preview をクリックすれば、小さな画像として見ることができます。
    この解説ページの画像では Coloured HiRes という世界地図を使っています。

    世界地図の画像は Orbitron のフォルダーにある Data というフォルダーに入れます。
   「設定」の「世界地図」を このように設定すればOKです。

    世界地図にカーソルをあてて、左右にひっぱると、地図が移動します。
    右クリックで部分拡大もできます。



    最後にもうひとつ、
    ESCキーで、主要な機能を含む「かんたんメニュー」が表示されます。
    再度のESCキーで「かんたんメニュー」が消えます。



    ここでは、基本的な使い方だけを解説しました。

    まだまだいろいろな機能をもつすばらしいソフトですので、ぜひ活用してみてください。


   さぁ、それでは Orbitron を使って、夜空に国際宇宙ステーションを見つけて
    みましょう!  









    ちょっとすすんだ使い方

    今夜見たあの衛星はなに?

    夜、空を見ているときに、ふと目撃した人工衛星らしきもの。

    なんという衛星だったのかを調べるのにも Orbitron が役立ちます。
    目撃したとき、見えた方向の だいたいの方角、仰角(地平線からの高さ)、何等星
    くらいの明るさかなどを記録しておきます。



    目撃した日に近い元期の軌道要素で計算しましょう。

    比較的明るい衛星の軌道要素が visual.txt にまとまっていますので、
    visual.txt を読み込んでおきます主画面 右上に出ている 衛星リスト にカーソルをもっていき、
    右クリックすると、メニューが表示されます。「軌跡」 の なかから
   「すべて」を選びます。

    衛星リストがこんなふうになったと思います。
    visual.txt に含まれる100個以上の衛星すべてが選ばれたわけです。

    図示メニュー にして、「世界地図」を「レーダー」に切り替えます。

    主メニュー にもどして、日時設定 にして、目撃した日時をいれます。


    レーダーに表示された衛星が、そのときに地平線上にあったものです。
    目撃した方位・仰角(地平線からの高度)とほぼ一致する衛星はありますか?

    
    レーダー内の衛星をクリックすると、その衛星について詳しいデータが得られます。
    (主画面下段を「衛星・軌道情報」にし、右上の衛星リストを「データ」に
      しておきます)

    主メニューにし、設定時刻を少しづつ進めたり、後退させたりするステップボタンで
    時刻をずらすと、動きもよくわかります。





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