Tall-Ship glossary
帆船ミニ用語集

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すごい特殊分野のため、用語集です。すみません、間違いも多いと思います。


◇帆船の分類--こちら参照。またはこちらもわかりやすい。

◇トール・シップ--Tall-Ship。(ヨットより大型の)帆船のこと。

◇リグ--帆の構造一式のこと。

◇マストの名前--前から、フォア、メイン、ミズン、ジガー。重要。

◇スル--sl.お船用語で、セイルの略称。Topsailはトップスルと読む。

◇横帆--帆船の普通の帆。スクエアスル。

◇縦帆--縦につける帆。総称はフォア&アフト・スルらしい。 大きく、ガフというヤードのような棒につけるガフセイルと、 ステイというマストを固定するヒモにつけるステイセルの2種類がある。

◇横帆の名前--一番下の帆はマスト名+スル。一番上の帆はマスト名+ロイヤル。 その中間がめんどくさい。昔は帆は4枚で、下から2番目がマスト名+トップスル、 上から2番目がマスト名+トップゲルンスル、で終わりだった。しかし今は6枚が多く、 トップとトップゲルンが、それぞれアッパーとロウアーに分かれる。5枚の場合は トップスルだけがアッパーとロウアーに分かれる。

◇ヤード--マストについている帆をつける横棒。帆船の操船の主な部分は、ロープを使って ヤードの傾きを調整することである。

◇ヤードの名前--横帆の名称に準拠する。たとえばミズン・アッパートップゲルン ヤードとか。でも実際フルネームでよばれているのを聞いたことないなあ。 全部ただのヤードでいいんじゃないのかな。

◇縦帆の名前1--まずステイというロープにつける三角帆である、ステイスルの名前。 各マストの名前+横帆と同じ順序名+ステイスル。 メインマストのについている三角帆の一番上のものは、メインロイヤル ステイスルとなる。

◇縦帆の名前2--トップスルスクーナーとバーケンティンの場合、縦帆はステイスル だけではない。ガフという、ヤードみたいな棒をマストから後方に出して そこに帆をはる。ガフセイルという。 トップスルスクーナーもバーゲンティンも、1マストに帆は2枚で、 下がマスト名+スル、上のがマスト名+ガフ・トップスル、らしい。

◇トゲンスル--トップゲルンをトゲンと略すことがある。

◇スパンカー--帆船の種類をとわず、最後尾にあるガフ(スパー)を使った台形の帆をスパンカーという。 スパンカーが2枚に分かれている場合は、アッパーとロウアーをつける。 正式な船の部品名称図にそうかいてなくても、とにかく口語ではスパンカーである。

◇六分儀--水平線と太陽の間の角度を測定する機械。日本では全船舶に搭載の義務がある。 ...が、平成15年から施行された新しい船舶免許の法律では、1級の実技から六分儀が はずれた。現実として、今はGPS、ロラン、さらにインマルサットなどがあるので、 まず使わない。しかし全機器塩びたしor電源なしになったときの最後の手段は、 六分儀で太陽高度測定して位置決定、クロノメーターにヒモと浮き輪(^^;)で移動 距離計算しかないので、使えるにこしたことはないと思う。

◇クロノメーター--超高性能ゼンマイ時計。大西洋横断時で1分も狂わない。 海におちてもへっちゃら。普通海に落ちても浮くように独特の木箱に入っている。 ただ、現在クロノメーターっていうとゼンマイじゃないようなきがする...

◇アストロラーベ--イスラムで作られた天文計算器具。星座早見盤的な天文アストロラーベと純粋に天体高度測定用の航海用アストロラーベの2種類がある。昔の船につんでいるのは 後者であるが、両方つんでる場合もある。

◇天文アストロラーベ--イスラムで発明、その後ヨーロッパで発展した非常にすぐれた 天文計算機器。何しろ参考資料いっさいなし、アストロラーベだけで、次のものがわかる。 (緯度がわかっていることが前提)
・ある任意の日の太陽の赤経・赤緯(裏面の日時-赤経対応目盛りですぐわかる)
・任意の日の日の出・日の入り時刻(黄道入りの星図リングをまわすだけ)
・現在時刻(赤経と太陽高度から時刻計算グリッドでできる)
・任意の日に、太陽が何座宮にいるか。
・任意の日に、シリウスやベガなどの主な星が何時にのぼり、何時に沈むか。
・日時がわかってない場合は、太陽高度や日の出時刻などから逆算できる。
★なお、月の位置や月齢、惑星の位置はアストロラーベではわかりません。

◇航海用アストロラーベ--航海向け高度方位測定器。太陽高度からその場所の緯度を計算するのが 目的と思われるので、高度測定用の針のほか、日時・赤経対応表や時刻計算 グリッドはあったと思われる。その他は省略されていたと思われる。 実は現物みたことないのでよくしらない。

◇コンパスローズ--古い海図のはしにある、花びらのようなギザギザつきの美しい方位マーク。 またはそれをもつ方位磁針。

◇クリッパー--19世紀前半アメリカで開発されたスマートな高速帆船のこと。 中国からヨーロッパまでお茶を運ぶのにかかる時間が、東インド会社の船の1/5の3ヶ月だった ことから、大流行した。中国から新茶をロンドンに運ぶ競争が行われ、カティーサーク号などの ティークリッパーがしのぎをけずったが、汽船が発達するとともに衰退した。

◇ブリッグ--2本マストの横帆の帆船のこと。2

◇ブリガンティン--2本マストのバーケンティンのこと。

◇シップ--3本マストのフル・リグド・シップのこと。もちろん船舶一般の意味もある。

◇スカイスル--ロイヤルの上の帆...らしいがこれをもつ帆船をみたことがない。

◇太平洋の白い貴婦人--海王丸2、エスメラルダ、エルカノの呼び名。日本丸2もたまに こう呼ばれる。つまり、現存している、 環太平洋地域の、帆がきれいめの大型帆船はすべてこうよばれている。

◇太平洋の白鳥--日本丸の呼び名。どうも関係者は海王丸と分けて呼んでいるらしい。 よく混同される 2隻を、なんとか区別を しようという関係者の気持ちはわかるが、船名をかくした写真をみせられて、 それが海王丸か日本丸かわかる人は、船舶関係者にだってほとんどいないはずだ。
 うーんと...思い切って日本丸2をバーゲンティンに改造すれば、きっぱり区別つくし、 商船学校の生徒さんの練習にもなるのではないだろか。そして...おそらくレースで海王丸2に勝てる。

◇ホワイトスワン--大西洋がホームグラウンドのクリスチャン・ラディックの呼び名。貴婦人ほどゴージャスじゃない帆船はこうよばれることが多い。


◇あこがれ--大阪市がもつ52mの美しい3檣トップスル・スクーナー。 市民むけの練習船で、帆船ファンのみならず、なんとなく体験乗船した人たちにも 感動を与え続けている。詳しくはさまざまな帆船へ。


◇名前が読めない船--帆船には多い。マイナー帆船というわけではない、100m級の現役大型帆船でも読めないのである。(問)次の大型帆船の名前を発音せよ、DAR MLODZIEZY(ポーランド,1982)、STATSRAAD LEHMKUHL(ノルウェー,1914)。KHERSONES(ウクライナ,1989)。Cuauhtemoc(メキシコ,1982)。(答)「ダー・モジェジー」「シュタトラート・レームクール」「ヘルソネス」「クアウテモク」。いずれも2004年のTall-ShipRaceに参戦し、好成績で完走した船である。

◇セイル・アムステルダム--アムステルダム開港700周年の1975年に始まった、世界最大級の帆船フェスティバル。以降5年ごとに開催されている。今はたくさんある帆船フェスティバルの中でも、40隻の大型帆船、2000隻のボートが集まる帆船パレードは壮観である。 始まった当時は、まさか世紀末の帆船・豪華客船ブームなんて想像もしなかったので、帆船がこんなに集まるのはもう最後だろう、なんてファンの間でいわれたものである。 日本の大型帆船で、唯一参加したのは、大阪市の所有する「あこがれ」である。

◇カティーサーク杯--カティーサーク・トールシップレースのこと。  カティーサークは1869年建造のティークリッパー。中国から紅茶をロンドンに急いで 運ぶ船だった。その名にちなんで、ウィスキーのカティーサークが スポンサーとなって1956年から始まった国際帆船レース。 現在は帆船トレーニングインターナショナル(STI)主催で、ヨットから大型船まで 同じコースを走る。結果はクラス別優勝と総合優勝がある。 通常コースが違うレース1とレース2に分かれて、全部で2ヶ月くらいかけて行う。
 どーもスポンサーが変わったのか?、2003年からカティーサーク の名前がなくなって、ただのトールシップレースという名称になったらしい。



操舵輪(暗い青紫)


操舵輪(暗い青)

↑操舵輪をクリックすると大きい画像がでます。背景は背景上で右クリックしてください。

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